チェックのワンピース✕神山智洋
「やっぱり神ちゃんには音楽が似合ってるね」
この言葉を残して別れを告げた君。
きっとこれも俺にとっての正解だったのかもしれない。
「あ、チェックのワンピース…」
ふと言葉に出して気がつく。 まだ忘れてへんねんな…なんて
たしかに君の方が正しかったし別れも仕方なかった。君から貰ったものをすべて思い出せるわけじゃないけど、すんごい俺は嬉しくて大事にしていた。
彼女はよくワンピースを着ていた。その中でも俺のお気に入りのチェックのワンピース。
「今なにしてんやろ、」
❮これからチェックのワンピースをどこかで見つける度にあぁ君を思い出すのかな❯
「そんなんごめんやって」
こんなにも彼女を忘れられない自分がいややねん。俺だけ前に進めてへん。
「神ちゃんってさ、ひとつのものに真っ直ぐだよね」
「そう?」
「これって決めたらそれしか見ない」
「…たしかにそうかもなぁ」
「素敵だと思う…けど、」
「ん?」
「なんでもない!」
「なんやねん(笑)」
なんで俺あの時、気付かへんねん。ばかやな…。
チェックのワンピースを見て反応するくせも治さなな~
その時、ふわっと風が吹き目の前の人のチェックのワンピースが揺れる。
「神ちゃん!」
幻さえも見えるほど好きやったんや、全然気づかへんかった。まだ引きずってる俺カッコ悪い。
「神ちゃん、たまには新しい事もしないとね?」
「…わかってるって、」
❮いつかまた出会えたら僕ならもう大丈夫だと言えるように君より似合う誰かを見つけるから❯
原案
back number 『チェックのワンピース』