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ホンモノの流れ星のように

妄想やどうでもいいことをたらたら書いてます☆ バーター怪盗RYUSEIに心も奪われたマイペース人間。

しょーゆパンとはまちゃん
















家の近くにおいしいパン屋さんがあるんだけど、そのおじさんがまぁ〜ニッコニコ優しく笑う素敵なひとでね、幼いながらもかっこいいな〜って思ってたんだ。



おじさんが横を通るとふわふわのパンの匂いがするところ、



「こんにちは!」
って関西の独特のなまりでいつもニコニコで挨拶してくれるところとか



それがすごく好きだったんだけど、ある日、いつもどおりパン屋に行ってパンを買おうとしたら自分より年上の男の子がいて。




「やっぱりおんなのこって甘いパンが好きなん?」
って急に話しかけてきて、



「?…しょっぱいのもすき」
って返したら



「そうよなぁ!しょーゆパンも好きやんな!そかそか!」




って勝手に理解したみたいでうなずきながら笑ってた。その笑ってる顔がもうおじさんにそっっっっくりで!このひとはいったい!?と思っていたら、




「こら!たかひろ!かわいいお嬢ちゃんにちょっかいだしたらあかんで!」




って大好きなひとの声が。
あ、なんだそういうことか。と、すぐ理解できた。



「よろしゅう!はまちゃんてよんでな!」



「パパもはまちゃんやで〜?(笑)」



「パ、パパっていうなやぁ!!(笑)」



「えー?いつもはパパやろ??」



「もぉ〜〜!!おとんはどっか行っとけ!」



「たかひろ、お嬢ちゃん泣かしたらパパ怒るで!」



「せやからぁ!!!」



この日から大好きなおじさんと全くおなじ笑顔のはまちゃんが気になっていって、
あれから会う度に、



「お、しょーゆパン食べへん?」



って手招きされるからべつに好きじゃなくてももぐもぐ食べる。食べるとすんごい嬉しそうな顔するから食べる。



「おいしそうにたべるなぁ、ずっと見てても飽きへんわぁ(笑)」



そこで2度目の恋をするんだよ、おなじはまちゃんだけど、どこかおじさんとちがうはまちゃん。
でもそこからはまちゃんもぐいっと身長が伸びて顔が大人びて、年が離れているからか大人の雰囲気にドキドキしてて、



「いらっしゃーい!お!きたな!最近顔見せんで、兄ちゃん心配したで?」



「…」



「どしたん?そんなにおれの顔おもろい?(笑)」



「…いや、なんでもない」



はまちゃんが話しかけてくれても避けることがなぜか多くなっていって。いつからかパン屋にも行かなくなってて。



たまに学校の帰り道にはまちゃんを見つけて、話しかけようとするけどできない、こう、むずがゆい感じが余計にはまちゃんから自分を遠ざけていったんだ。でもけっきょく、



「あ〜〜…しょーゆパン、食べたい」



これがいつの間にか口ぐせ。
ずっと頭の中ははまちゃんのことばっかで、パン屋行きたいけど、はまちゃんの顔をみるとドキドキする自分が恥ずかしくてなかなか行けないの。行きたいのに。



ある日とつぜん、はまちゃんが我が家に訪ねてきた。
それはもう、大混乱。
今まで訪ねてきたことはいっかいもなかったし、ましてやはまちゃんが!??
なんで!???状態で、部屋の中で行こうか行くまいかちょーー悩んでたら、お母さんが部屋まできて、たかひろくんがこれをあなたにだって、って見慣れた袋渡されて。あのパン屋の袋。



その袋にちょっと汚い字で、またしょーゆパン買うてな!って書いてあった。
案の定その袋のなかにはしょーゆパンがたくさん。
そこでかんっぺきにはまちゃんにオチた。好きだって確信した。



でも、しょーゆパン持って来てくれたつぎの日からはまちゃんは上京して、そのことを行った後で知ったわたしは泣いてへこんだ。



それから何年もはまちゃんは帰ってこなかったし、上京した理由もなんとなく聞けなかった。でも、はまちゃんとの思い出のしょーゆパンは毎日買いに行った。おじさんに会って、その笑顔を見るたびにはまちゃんを思い出す。大好きな人。



「いらっしゃーい!こんにちは!今日も来てくれたんやね!」



「しょーゆパンが食べたくて」



「たかひろのこと、好きなんやねぇ」



「小さい頃はおじさんが好きでした!」



「ふふ、ん、知っとる!(笑)それたかひろに言われて初めて気付いたんやけど、」



「え!はまちゃん?」



「そーやねん!ええな〜おとん、俺と同じ顔やのになにがちがうんやろ、って真剣に考えとったで(笑)」



「…なにそれ(笑)」



「明日もまた来てな?サプライズあんで!」



いやそれ言っちゃったらサプライズじゃないんじゃ…って思ったけどそれもおじさんらしくて、おじさんがくしゃって笑うのを見ると、無意識にはまちゃんにあてはめてきゅんとする。もしかしたら明日、はまちゃん帰ってくるのかな。



家に帰ってベッドにダイブ。もし帰ってきたら絶対連絡先きいてやると心に決めて寝た。



次の日の朝。



運良く今日は休日。なのに朝早く目が覚めてしまった…はまちゃんのせいである。はまちゃん帰ってきてるかなってそわそわしながら出かける支度をしてパン屋へ向かう。まだ朝の7時だったけど。



見慣れたあのパン屋の小窓をチラッてのぞくと、真剣なおじさんがいつもどおりパンを焼いている。
はまちゃんに横顔がそっくりで見惚れる。はまちゃん、まだ帰ってきてないのかな。いやまず帰ってくるのだろうか。心配になって店の前をうろちょろしていたら、そんなわたしを見つけたのかおじさんが店から出てきた。



「お!おはよーさん!店入り!」



「おはようございます、」



そう言ってお店に入る。焼きたてのパンの香りが鼻をくすぐる。



そしてわたしは無意識にしょーゆパンの置いてある棚に目を向けた。



「あれ??しょーゆパンだけない?」



他のパンは棚にたくさん置いてあるのに、あのしょーゆパンだけ1個も置いてなかった。



「もしかしてもう売れちゃった?」



おじさんにそう聞くと、おじさんは厨房を指さして、



「今たかひろが作ってんで!お嬢ちゃんにあげたいんやって!」



ニヤニヤしながら、ほんま気持ち伝えんの下手よな!って笑う。でもそれどころじゃないわたしは、



「はまちゃん!?帰ってきてるの!!」



勢いよくおじさんに言い寄る。



「チラッとのぞいてみぃ?」



おじさんの指さす厨房をチラッとのぞく。



「…やっと会えた」



紛れもなく、はまちゃん。



かっこよくて優しくて、ずっとずっと会いたかった人だ。



「あいつもおとなっぽくなったやろ?」



「すっごくかっこよくなった気がします」



さらに身長が伸びてほどよく筋肉もついてて、横顔はわたしが知っているはまちゃんとは全然ちがう、大人の男の人って感じ。正直見惚れるし、逆に、面影はあるけれど別人みたいなかっこよさだからちょっと遠くかんじる。




「あ、しょーゆパン焼けたみたいやで」



オーブンからパンを取り出して少し冷ます。そしてパンをトレーに乗っけてこちらに向かってくる。



「来る!?ちょ、隠れなきゃ!」



「なんっでやねん!(笑)ほら、」



おじさんが私の肩を両手で掴み、はまちゃんが来る方向で固定する。



すると、すぐにトレーを持ったはまちゃんがやってきた。



「あれっ!久しぶりやなぁ!なんや、俺から行こうと思ったんに!」



あれ、いがいとあっさり。



でも、声は少し低くなったものの、くしゃっと笑うその顔はあの時のままで、



「はまちゃん、あの、」



わたしがそう言いかけると、




「まずおとんははよ手離さんかい。セクハラやぞ。」




「たかひろが上京してからもずっと毎日会ってた仲やし!いまさらヤキモチ焼くなや!」




「おかんもおんのに堂々とじまんすんなや!」




なぞの言い合いがはじまる。こういうところは前と変わってないなぁ。




なぜか少し微笑ましかった。でもしばらくするとはまちゃんが、



「あーもう、おとんうるさいからどっか行こ」




「えっ、」



ぐいっと腕を引っ張られて外へ出る。はまちゃんの手、大きくてごつごつしてて男の人の手ってかんじでドキドキする。




「あ、すまん。痛かった?」




「大丈夫、あと、おかえりなさい」




「ん、ただいま!懐かしーな!こうやって話すの(笑)」




「そうだね(笑)」




はまちゃんが照れ臭そうに下を向きながら頭を搔く。



はまちゃんにききたいこと、たくさんある。



「なんで、上京したの?」



「あれ、おとんから聞いてなかった?」




「なんか、聞けなくて…」



「パン屋になるための資格、とってきた!家継ぐつもりやねん、」




都会はもーほんま大変やったで?って笑いながら話すはまちゃん。




「もうずっと、ここにいる?」




「おう!ずっとしょーゆパン作ったるで!(笑)」




また一緒にいられる。
そう思っただけでわたしはすごい嬉しい。



「あのー、その、なんかおとんから聞いててんけどさ、俺がいなくなってから毎日しょーゆパン買いに来てくれてたんやろ?」



「うん、」



「どーしてなんやろなって、」




「…それは、はまちゃんが、すきだから、?」




「…え、なんでさいご疑問形なん?(笑)」




「はまちゃんは?(笑)」




「…もうおれ27やで?ええの?おっちゃんやで?(笑)」



「答えになってない!」




えー!もうおれむりやー!(笑)って頭かかえてるはまちゃんはやっぱり変わってない。




すると今度はじっと一点を見つめて動かなくなったから、




「はまちゃん?どうしたの?」




わたしがはまちゃんの腕に手をかけた瞬間、その手がぐいっと引かれて、




そのまま、わたしははまちゃんに抱きしめられた。




「…こういうのあんま慣れてへんから、おかしかったら言うて?」




「うん、」



抱きしめる力をぎゅっと強くする。




「長い間何も言わずに待たせてもうてほんまにごめん。こんなおれでよかったらしょーゆパンいくらでも作ったる」




「…ふふ」



「え!おかしかった!?」




「なんでもない!」




「えっと、だからその、これからはずっとどこにもいかへんし、一緒にいたいから、おれとお付き合いしてください」



「…はい!」




このあとはちゅーとかしたけどおじさんにひやかされてお互いに照れちゃったからこのさきの話はまた今度。






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