助演女優症✕藤井流星
…都合がよくって頭の悪い女を演じてあげる。
彼からの着信はとくべつ。すぐに分かるように音を変えてるの。
今日もまた彼からの着信。
「今から空いてへん?」
そして私はいつもの場所へ向かう。こういう時は必ずここのホテル。
部屋について扉を開けると、窓際で脚を組みながらタバコを吸う彼、そんな姿さえも愛しいと思ってしまう私はきっと病気だろう。
❮甘い声で誘い出して 私の気持ち全部わかっているくせに❯
「…ええよな?」
頷くわたし。はたして彼は私が見えているのだろうか。私を見て欲しいのに。
他にどんなに女がいたっていい。今は、今だけは、その瞳に私を映して欲しいなんて。
❮身体重ねる度に想いが募るのはどうやら私の方だけだね❯
「愛してんで…?」
❮取ってつけたような台詞で惑わせて❯
きっと私は幸せなのだろう。だって、あなたのそばにいられるもの。他の女がいたって、こうして私はあなたに必要とされてるから。
だからもう、あなたの好きにしていいよ?
だって、
❮私の望んだものはもう全部あなたの心以外今ココにあるから❯
ほら今日もまたあなたに堕ちてく、
「流星、…私のことすき?」
「…好きに決まってるやろ、」
そんな悲しそうな顔しないでよ…
❮取ってつけたような台詞で惑わせて❯
原案
back number 『助演女優症』