会いたい
◎藤井流星
「おれは会いたいんやけどね」
同い年の藤井流星とは学生のときから付き合っていてなんでも言える間柄。お互い今年新社会人になって予定も合わなくてすれ違う日々になんとなく寂しさを感じてた頃、彼から電話がかかってきた。
「…あ、もしもし、久しぶりやね」
「うん、久しぶり」
今までこんなに気まずいことなかったのに、わたしたちの間に緊張感が漂う。
「なんやねん、やけに大人しいやんか?」
「え、そうかな?」
「さみしかったんちゃうん?(笑)」
電話越しに彼がニヤニヤしてからかっている感じが伝わる。今まではなんでも言えたのに。今はなぜか「会いたい」が言えない。
「わたしは平気だったよ」
そう言うと、少し沈黙が続いてから彼が「ふーん」と言ってさっきの言葉を小さくつぶやいた。
「え?」
「あ〜…今から会えへんの?」
「だってもう夜だよ?明日だって朝からでしょ?」
彼だって新人研修もあって大変だから言うの我慢してたのに、こんなにも簡単に会いたいって言ってくれるなんて。
「会いたいって言うてくれたらおれ行くけど」
「…あいたい…かも」
「ん、じゃ今から向かうわ」
しばらくして一人暮らしのわたしのアパートに彼が到着したと知らせるインターホン。鍵を開けるといつもより髪の毛をスッキリとまとめた彼がいた。
「…久しぶりに見たら顔死んどるやんか(笑)」
彼のくしゃっと笑った顔に安心してぎゅっと抱きついた。
「会いたくなったら言うてや、おれ彼氏やねんからさ」
「うん、言うね」
「…ちゅーしてええ?」
「うん、今日は特別」
「…あ〜やけに素直やし帰りたなくなるわ〜(笑)」
玄関のドアをパタンと締めたら彼の甘い香りに包まれる夜。
◎小瀧望
「あ、もしもしおれやけど」
ガヤガヤとうるさい音のなかに大好きな彼の優しい声。声を聞くだけで元気になれるんだから彼はすごい。
「どうしたの?」
「おれに言いたいことあるやろ」
「え?ないよ?」
えぇ〜〜と不服そうにつぶやく彼。
「なに?」
返事を催促すると
「会いたいっておもってるのおれだけ?」
いつもは声が大きくて聞こえやすい声が、今の言葉はなんだかモソモソしてて耳がくすぐったい。久しぶりに聞いたこの声。甘えてるときの声だ。
「わたしも会いたいよ」
すると急に聞こえる彼のかすかな笑い声。
「おそい。…そうやって言うん待ってた」
すこしいじけたように言うから愛しさが溢れる。
「じゃあのぞむの家行くね」
「いやええよ、おれが好きそうなお酒とつまみ買って待ってて、」
「わかった」
「もしおれが好きじゃないヤツ買ってたらお詫びにちゅーしてや」
そういうと一方的に電話を切られる。
しばらくして彼が家に来るとテーブルの上に置いてあるお酒とつまみをみて、
「これおれが好きなヤツ!なんでわかったん!?(笑)」
「一緒に飲んだことあるからわかるよ!」
って言えば
「じゃあご褒美にちゅーする」
って大きなワンコがのしかかってきて短いキスを何度も。
「…他にイヌ飼い始めたんやないかなってちょっと心配やった」
「え?イヌ?」
意味がわからなくて彼に聞き返すと、ふっと可愛らしくわらって
「もうこのひとぜーーんぶ俺の!」
ギューーって抱きつかれて離してくれないからお酒とおつまみはもうすこしあとに彼と。
近所にいてほしいジャニーズWEST4選
ここから全てははじまりました…重岡くんだけどうしても薬剤師以外は考えられなかったのでそこだけはまえの設定と同じです…
◎桐山照史
個別塾の講師でその性格からか生徒から大人気。いつも生徒に群がられてて話すのも一苦労なんだけど、でも今日は待ちに待ったあきとくんの個別授業の日!いつもよりオシャレにしてきたんだ!
「久しぶりやんなぁ、どう?大っ嫌いな数学はできるようになったん?(笑)」
って肘つきながら見てくるからドキドキして「まだです…」つい素っ気なく言っちゃう。そしたらそれを感じとったのかあきとくんが「大丈夫やって、おれが教えるんやからできるようになる!まかせとき!」って頭ぐしゃぐしゃしてくるの…確信犯でしょ…。
「じゃあやってきた課題見せて?」って言われてあきとくんの前にテキストを置こうとしたらつい手が当たっちゃって(古風少女漫画脳)パッと手を離す。そしたら
「なんやねんもぉ〜〜〜(笑)今日はやけに恥ずかしがり屋さんやな?なんかあったんか?」って優しい瞳で見てくるあきとくんに恋する乙女心揺さぶられる〜〜〜!!!
ただあきとくんが好きなだけなんだよ〜〜〜〜〜〜!!なんやかんやその後は無事にテキスト解き終わって帰ろうとすると「お腹空かへん?いまめっちゃサラダ食べたい気分やわ〜(笑)」って話しかけて来てくれて玄関までおくってくれるの…惚れた…。
「家帰って休んだらちゃんとオレの言ったこと思い出して解き直すんやで!」
じゃーな、って軽く手を振ってくれるあきとくんに小さく手を振り返しながらあきとくんに恋する午後6時まえ。
◎重岡大毅
地元の薬局で働いてる薬剤師さん。最近入ってきたんだけど人当たりがいいのと関西人独特の人懐っこさでもうすっかり馴染んでいる。
季節の変わり目で風邪をひく人が多くなるこの時期、薬局は混んでガヤガヤしてるんだけどこの人の声と存在感だけはすごいのだ。
「また風邪ひいたんかおまえ〜〜〜(笑)」どんだけ体弱いねんってからかってくるシゲ。(って呼べって言われたから呼んでる)
「ひきたくなくてもひいちゃうの!」って反論すると「肌出してるからちゃうんかい、短いスカートかなんか履いとったんやろ?」とか勝手に決めつけてくるけどいつもなんだかんだ心配してくれるからわたしはこの人に弱い。
「寒気はすんの?熱はないねんな?」って確認するときはジッとこっち見てマジメにきいてくるの!ずるいよ〜〜〜〜〜!!
「おまえ体冷えやすいんやから毛布二重にしてかけときや!」って言って薬渡してくれるから「わかった」って返事して家に帰って薬が入ってる袋を取り出すと「早く治せよ お大事に。 シゲ😁」って書いてあって思わず頬が緩むんだ!!!
◎濵田崇裕
食品配達員のハマちゃんは週に1回家に来てくれて頼んだ食品を届けてくれる。毎週木曜日はハマちゃんが来る日である。毎日木曜日にならないかな〜〜〜??(ならない)
インターホンの音が鳴ると途端に自分もドキドキ。ドアを開けたら
「こんにちは〜!今週はいっぱい買うたなぁ」ってニコニコしてるハマちゃんが〜〜!最高の癒しだ…。
家のなかまで運ぶの手伝ってくれない?と言うと「え、なか入ってええの?」って戸惑うハマちゃんをどうぞと中へ入れる。ぱっぱと商品を家の中へ入れてくれるハマちゃん。ハマちゃんがいるだけですっごく助かるんだ〜!
「なんかおれお手伝いさんみたいになってへん?(笑)」ってくるっと振り返る。ハマちゃんお手伝いさんに欲しいなあ!って返したら「もうおっちゃんやけどおれ男やし、もっと警戒せんと 何されても知らんで?」って急に真面目な顔して言うから惚れた…ベタ惚れ…………。みたいな顔してたら「じょーだんやんかぁ〜(笑)」って肩ポンポンしてくる男ハマダ…騙された………。
程よくついた筋肉も、スラッとしたスタイルも、やさしい笑顔も全部すき…海も山も星もわたしも全部ハマちゃんのものなんだ…(ってわたしのなかの夏芽が)
◎藤井流星
コンビニ店員。ファ○マが似合いそう。
コンビニに入るとまず「っしゃいませ〜〜」って低く眠そうな声が。わかるわかる。わたしも眠くてたまらないよ…とおもいながらパンコーナーを物色。するとレジから「ん…?」と声が聴こえて見てみると目を細めながらレジ打ちをしている藤井さん。(名札を見て覚えた)あのひと目開けながら寝てるのでは…と少々心配になる。
レジへ商品を持っていくと「っしゃいませ〜〜…………温めますか?」ってきいてくるから、パンは温めなくて大丈夫です…って返すと「あ、せや…へへ、すんません」って何故かわらう藤井くん。(笑顔めっちゃカワイイ)傍から見ればすんごく変な人でドン引きするところだが藤井くんのルックスからかそれほどでもない。むしろいつも眠そうな顔してるから笑顔が見れるなんてある意味レア!今日はいい事あるぞ!!
そしてまた別の日に行くと今日はメガネの藤井くん。ほ、、、、惚れた………………………………………………………………。。。
レジへ商品を持っていったら藤井くんが何故か気付いてくれて「あ、パンのひとや」と意味わからない名称をつけられた。(嬉しい)
今日はメガネなんですね、って言ったら「そうなんよ〜似合ってる?」ってメガネズラして目線を合わせてくるんだ…。おいおいカッコよすぎるだろ……はい似合いますとしか言えないやつ………。
「箸ひとつオマケしとくわ、仕事頑張りや」って藤井くんがレジ袋を渡してくれるんだけど正直オマケのお箸はいりません………。
コンビニに藤井くんいないかな……………………………。
犯人役にしたいジャニーズWEST4選
1度は考えたことありませんか??もし自担が犯人役をやったら......と。
ようこそ、わが家へのときなんかはもうしょーもない仮説立ててなんとか流星くんを犯人しようと頑張っていました......。(どうしても流星くんの悪い顔が見たかった)
なので今回は犯人役をやってほしいジャニーズWEST4選です!!
◎濵田崇裕
女性ばかり狙われる連続殺人事件の首謀者そうだな〜〜〜〜!!狙われる女性の年齢は多分バラバラ。(年齢関係なく誰でもすきになるから)
もちろん固定の彼女なんていなくて誰にでも優しいけど、でも夜になると人が変わったみたいに暴れまくって挙げ句の果てには女性に手を出す。濱田くんは殴られて怯えてる顔をみて「ごっつ綺麗な顔やなぁ…そっちの方がええわ」って言って殴ってきそう...。(おい)そして女性が逃げると「おれからはもう逃げられへんから(笑)」って絶対逃がさないやつでしょ〜〜!いつもニコニコ優しいからこういうときになるとガラッと変わるのが似合いそうだよね...たまらん...。
◎藤井流星
流星くんは圧倒的にこっち側でしょ!(?)流星くんがいつも黒い服着てるのは血が服に飛び散っても目立たないようにだよ!!(絶対ちがう)
流星くんが犯人だったの...?って言ったら「だってみんなおれに殺されたかったみたいやし」あ〜〜〜〜〜笑いながら普段のトーンで言ってほし〜〜〜〜〜!!!周りが全部血で染まってて流星くんの顔にも飛び散ってるんだけど、それがなんとも...似合う...!!!
手にナイフ持っててそれをこっちに向けられて「殺してほしいなら言わんと分からんやん」って言われて一生を終えたいとおもいます...アディオス.......................................
◎重岡大毅
絶対くるとおもったー!!!
重岡くんはふつうに人を切りつけながら「ん?痛いん?...へぇ、これは?」とか「どこ切ってほしいん?」とか言ってそう(ひどい妄想)その目に光は一切ないんだけど楽しいのか口角は上がってるんだよね。「人の苦しんでる顔見るのめっちゃ好きやねんかぁ、おれ、」って話しかけては切りつけます..............................クレイジーイズビューティフル.........
◎中間淳太
じゅんたくんは殴るも切るもしません。とにかく頭がいいので自分の手は汚さなそうだからターゲットを閉じ込めて爆破しそう...
そして女の人しかターゲットにしなさそうだしとにかく泣き顔が好きだよねきっと。
助け求めててもずっと顔色一つ変えない。けど泣いたときだけ楽しそうに眺めてる。長い足組んで頬杖つきながら「泣いてんのめっちゃそそるわ〜」って貴族気分だよね!!
◎小瀧望
こたきくんは放火魔っぽい。知らない人の家に火つけては「綺麗やなぁ……」ってわらってそう〜〜〜〜!!「やめられへんな〜〜…このゾクゾク感がたまらんわ」って隣でつぶやく彼にもうやめようって言いたいけど言えない友達の役やりたい。で、守りたい一心で代わりに捕まるんだけど、こたきくんの横から人がいなくなることはないんだよね。魔性の子だから!火をつけるこたきくんは放火魔で、でも普段はふつうの子なんだよ。ただ二重人格でふたつの人格が交ざってるだけなの………………罪な子でしょ………………
苦手な方ごめんなさいね…でも絶対WESTさんは犯人役だれでも似合うと思うんですよ!!!!お仕事ください!!!!!
改めまして
Twitterでもブログをアップすることにいたしました!!前回紹介したアカウントは消して、こちらのほうでやっていこうと思うのでよろしくお願い致します!
お暇な時間ありましたらぜひ覗いてやってください!
ぱま (@ma_a_ne___)さんをチェックしよう https://twitter.com/ma_a_ne___?s=09
居酒屋で酔っ払った夜に迎えに来てほしいジャニーズWEST4選
わたしの完全な独断と偏見で選びました〜〜!!
◎淳太くん
絶対車で迎えに来てくれる。リムジンかって?そりゃもちろん!(嘘)
携帯に「迎えに来たからはよ来て」ってメールきて、その文字列から若干の不機嫌さを感じ取ってびびる。
車の前まで行くと無言でドア開けてくれるからさらにびびりながら車の中に入ってシートベルトをするんだけど「迷惑かけてごめん〜〜じゅんたくん怒ってる?」ってきくと
「飲み会に男いるなんてきいてへんけど」って冷たく返してくる〜!!やっぱり怒られた〜!!「ごめんでもただの同窓会だから...」って言ったらさらに不機嫌になって「わかってへんな...男は誰でも下心あんねん、若い男は何するかわからんし」
車を発進させながらものすごい低いトーンで言うからさらにびびって「わたしももう子どもじゃないからそれくらいわかるし大丈夫だよ?」って反論すると、はぁ、って大きいため息ついて、「もう子どもじゃないから心配やねん」っていじけたみたいにボソッとつぶやくじゅんたくん〜〜なにそれずるいから〜〜〜!!!!「ごめん、...じゃあもう行かない!」って必死に言ったら手の甲でおでこをぺしっとたたかれる。「あほ。おれは束縛彼氏か。...行ってええから必ず連絡せんとあかんで」って頭にポンッて手乗っけて言うから恥ずかしくてつい顔を手で隠したら、「照れてんの?...かわいい」って言ってくれる。でっでた〜〜〜!!!ツンデレ彼氏!!!
◎照史くん
あきとくんは徒歩でしょ〜〜!徒歩の達人でしょ〜〜〜!!(ちがうね)
ふらふら居酒屋から出たら出口の壁に寄りかかってるあきとくん〜〜!!溢れ出るリア恋枠臭〜〜!!
「遅いやんか〜心配する〜〜」ってまゆげ下げながら近寄ってくるあきとくん。「お酒くさいから!」って軽く押し返すと「力では負けへん」って思いっきりぎゅーってしてくる!!「ギブギブ!」って肩をトントンたたくとパッて離して「めっちゃ弱いやん(笑)」ってわらいながらスマートに手を繋いでくる!!ドキドキ!!やめて!やめないで!
あきとくんの男らしいゴツゴツした手に緊張しながら歩いているとあきとくんがパッと携帯を取り出して「あ、もう終電行ったわ」とか軽く言うから「え!?終電ないの!?」って焦りながら言ったらあきとくんに「おれん家来ればええやん。」と真顔で言われ動揺で固まるんだよね。「えっ...と〜〜、ほんき?」予想しなかった回答すぎて顔がひきつるんだけどあきとくんは「今日はもともと帰すつもりなかったし、好都合やん?」って余裕そうに言うんだよ〜...だまされた...(嬉しい)
着々とあきとくんが家に向かおうとするから「え、ちょっと...」ってまだ躊躇してたら「なんもせーへんよ?(笑)」って子供をあやすように頭を撫でてくる...。何もしないって言ってるし「...じゃあ行こうかな」って言ったら急にご機嫌になってるんるん歩くあきとくん。かわいい。ワンコみたい。
あきとくん家に着いて玄関に入るといきなり抱きしめてくるから「!? なにもしないんじゃなかったの!?」って言ったら「......やっぱりむり」って言ってちゅっちゅするんだ〜...短いの好きそうだよね...。耐えきれなくなったあきとくんたまんない〜〜〜〜〜〜!!!あきとくんだけアダルティー.........
◎重岡くん
重岡くんは車で迎えに来てくれるかな〜!
車に乗り込むと重岡くんがまず「くっさ!酒くさ〜〜〜!どんだけ飲んだん!?」って嫌な顔して言ってくるから「わからない〜おぼえてない!」ってちょっと怒りめで言ったら「あ〜も〜これやからほんまやめとけ言うたやん!」って頭かきはじめる。「おまえ酒飲むと目が変わんねん!それ分かってへんやろ〜〜ほんま世話かかるわ〜〜」ってなんか困ったような顔したから「そんなに変わるかな〜〜」って言ったら「こう...うるっとして、その〜...あ〜やっぱやめた」って急に言うのやめるの!そんな事言われたら気になるじゃん!なんでよ〜〜〜言ってよ〜〜〜!!ってしつこく絡んでたら「それやそれ...おればっかしんどいやんけ...」とか意味不明な事言いだすからどういうこと?ってきいたら、「酒に酔った時のその目が変に色っぽいねんて、知らんやろぉ??」ってちょっと焦ったように言うの...。「...わかったか。わかったならもうこっち見んなや」ってぷいってする。「今日はちゃんとおくったるけど次はもう知らんで」って言ってくるからもう〜〜〜〜〜!!!!
◎流星くん
流星くんは徒歩で迎えに来てくれます。
居酒屋の出口をでたらキョロキョロしてるひとを発見。絶対流星くん。声をかけたら「おったぁ」ってふんわりわらう流星くんにドキドキがとまらない!!今日もかっこいい!!
「今日の飲み会に男もいたんや?」って普通な顔してきいてくる流星くん。「いたよ!楽しかった!」って言ったら「へ〜〜よかったやん(笑)」って余裕そうな顔してわらうんだよ…何も思わないんかい。
「流星くんはなにしてたの?」ってきいたら「おれも呑んでた。たくさんの女の子と」ってニヤニヤしながら言ってくる〜〜〜〜〜〜〜!!!「うそでしょ?」って半ば疑いながらきいたら「うそ(笑)ちょっと意地悪したくなった」って言って手を繋いでくる流星くん〜〜〜!
普段はめったに繋がないのに今日はご機嫌なのかサラッとしてくれた!めずらしい!
「消毒やね」って流星くんが手をムニムニしてくるので「男の人に触ってないよ?(笑)」って念のため言ったら「あたりまえや(笑)」って繋いでた手をそのままわたしのおでこにコツンてする。(ゴツゴツの指輪つけてたからちょっといたい)「なんならこのままちゅーもしとく?」っていつものトーンで言ってくるから「え!?」って思考停止する。流星くんの顔でそんなこと言われたらだめ。しぬ。でも、「外は恥ずいからやめとこ(笑)」って...おーーい!そこで恥ずかしがるんかーーーい!で、つい「やめるんかい(笑)」ってつっこんだら、「じゃあおれん家行こうや」ってふんわりわらって言う流星くんーーーーーー!!そっちかーーーーー!!!断れないー!!それで家にお邪魔したらなぜか和やかなお酒タイムがはじまりそう。(酔ったらおもしろがって壁ドンとかしそう)
くだらない妄想が終了しました!!今度はまた近所のWESTさんをかきたいなー!!
も〜なんで気付いてくれないの
「ほら〜もう起きんとやばいから、こら!起きんさい」
毛布を剥がされ若干不機嫌になる。まぁでも神ちゃんだから許せるけど。
無言で手を神ちゃんの方へ伸ばすと必ず手を握ってグッと起こしてくれるんだ。ジェントルマン神山。これはこないだ藤井くんがボソッと言ってたやつ。
「行きますよ〜〜」
手を引いてリビングまで連れてってくれるからあとは自分でやる。その間神ちゃんはペッタンコだった髪の毛をセットしていつものかっこいいカワイイ神ちゃんになるんだ。
「準備おわった?行ける?」
『行ける!』
神ちゃんが玄関のドアを開けてくれる。これがわたしの日課だ。幸せ...
「今日中間先生の授業あるやんな?課題やったん?」
『やってない!神ちゃんやってる?』
「やってあるけどぉイマイチ分からんねんなぁ」
『このまえ中間先生に「神ちゃん文法がめちゃくちゃや!」って言われてたもんね(笑)』
「せやんな(笑)」
この何気ない会話がたまらなく好きで毎日のちいさな楽しみ。
...
教室に入ってまず第一声が
「流星が課題をやってる!!」
『どうしたの!?』
よっ、って軽く手を挙げて挨拶して教科書をじっと見つめる。
「課題やってこなかったらサッカー部のボール拾いにするって言われたんよ、じゅんたに」
「まぁ流星寝てばっかやもんな」
「あいつが寝たくなる声してんねん!」
『どんな言い訳だよ...てかわたしもやらなきゃ、神ちゃんみせて〜〜』
「神ちゃんやってあるん!?ちょ、ちょっとだけ...ちょっとみせて」
「いやぁおれのあってるか分からんねんて、英語苦手なんやもん」
「おれの学力に比べたら神ちゃんの方が高いやん、...あ、身長は低いけど」
そのまま神ちゃんのバックをあさり課題を丸写しする藤井くん。
「誰がちっちゃいや!」
「...へへ」
わかる。神ちゃんカワイイよね。藤井くんがイジリたくなる気持ち、わたしにはわかるよ。
無事に藤井くんとわたしは課題を写し終わっていざ授業。わたしたち3人の座席は窓側のいちばん後ろから流星くん、神ちゃん、わたし。今日のあたる順番はわたしがいちばん最初。
「じゃあこの問題を〜出席番号22番、訳して」
わたしだ。
『わたしは予定の電車に乗り遅れたが、間に合った』
「ん、じゃあその後ろ、あ、神ちゃんか、答えはどうなった?」
「同じです」
「同じなん?へ〜、その後ろは?藤井?今日は起きてるんや」
「おれも答え同じっす」
「...その3人が答え同じってことは、...写したやろ?」
あ、バレたな。
『え、わたし神ちゃんの写したっけ?』
「ん〜...どうやったかな〜」
「おれ神ちゃんの写してないで?神ちゃんがおれの写したんやもん」
「えぇ〜〜流星裏切りやでそれ」
『そうだよ藤井くん!裏切りだよ!』
「え?うん...まぁね、裏切りは...いかんよな」
「で、写したんやな?おまえら」
『「.........はい」』
...
「あ〜〜めっちゃこき使われた!体育館掃除を3人でって鬼畜すぎるやろ!」
「まぁ流星はボール拾いはまぬがれたんやしええやん」
『中間先生が「写す努力をしたことは褒めたるわ」って言ってたよ』
「流星相当下に見られとんな(笑)」
『帰ろ〜〜』
「あ、今日はちょっと、」
「神ちゃんなにか用事なん?」
「ジム行くんよ、じゃ」
軽くバイバイと手を振って行ってしまった。神ちゃんのモノマネパレード面白いからまたやってもらおうとおもってたのに。残念。
「ふたりで帰るの初めてやんな?なんか変な感じやわぁ(笑)」
『ね〜〜』
流星くん改めて近くで見るとデカいなぁ…。そして腰のチェーンがジャラジャラうるさい。
するといきなり藤井くんがこちらを向いて話しかけてきた。
「...ずっと気になってたんやけどさぁ、おまえ神ちゃんのこと好きやろ?」
『...え.........ばれた?(笑)』
「バレるわぁ〜(笑)もうまんま顔に出てんで?」
『ん〜でも神ちゃん気づいてないんだよね…友達としか見られてない気がする』
「アレや、ほら、押してダメなら引いてみろってやつや!」
藤井くんがすっごいこと思いついた!って感じのキラキラした笑顔でこっちを見てくる。何でそんなに楽しそうなの...
『上手くいくかなぁ…変に距離ができちゃうのはやだな』
「ふ〜ん、そっか。ま、気が向いた時にやりや。そん時は手伝ったる」
『藤井くんは神ちゃんのつぎに優しいね!』
「それ褒めてる?(笑)」
ふんわり笑う藤井くんの顔の綺麗なこと。この人の彼女になったら色々大変だな。
...
次の日。いつも通りの朝。窓から日光が差し込み、爽快な気分だ。だけどいつもと違うことがひとつだけ.........
『神ちゃんがこない...』
なぜだなぜだ。今までこんなことなかったのに。
『いやまず遅刻だこれ...』
普段から神ちゃんに頼りっぱなしだから目覚ましもかけずに寝てるのがいけないか。
いや、でもさ、朝に目覚ましがジリジリうるさく鳴るなか目覚めるのと、神ちゃんが優しい声で「ほら〜も〜起きんさい!」って顔ぺちぺちされて目覚めるのとはぜんっぜん違うじゃん???そういうことだよね!
そう自分に言い聞かせながら準備する。今日にかぎってお母さんはいないし。
『神ちゃん〜〜......なにかしちゃったかな』
神ちゃんは怒ったこともないし起こしに来なかったこともないしなぁ。
直接きくしかないよね。
朝ごはんも何故か喉を通らないので食べないで家を出る。いつもの学校までの道は神ちゃんが隣にいないとこんなにも寂しいものか。高校でクラスが一緒になって、家が近くだってことを知って、いつの間にかこんな兄妹みたいな関係に。
たぶん神ちゃんはわたしのことをなんとも思っていない。だっていくらテレビでよく見る人をかっこいいって言っても「ほ〜」しか言わない。
わたしは好きだけど、神ちゃんは他に好きな人がいるのだろうか。
...
教室に入るとちょうど昼休みになったようでみんなが各自ワーワーとおしゃべりをしながらお弁当を出していた。
とっさに神ちゃんの姿をさがす。
『いない......なんで?藤井くんもいないし…』
大きくため息をついた。そのとき、頭を叩くパシッという音と軽い衝撃が。
「や〜〜っときたなぁ、心配しとったで」
振り返ると見馴れた姿とその隣に大きいひと。
『神ちゃん〜〜なんで来なかったの〜わたしも心配したよ〜』
「すまんおれも寝坊してん...さすがに先行ったかなとおもって家寄らなかったんよ」
『寝てた〜〜〜〜そのとき寝てた〜〜〜〜〜』
「ごめんごめん」
いつもの神ちゃんの声のトーンと優しさと、そして最後の頭ポンポンで半べそもなおる。神ちゃんはわたしにとって偉大なのだ。
「はやくお昼たべへん〜〜?ふたりが再会してるのはええねんけどさぁ」
「せやね、食べよか」
神ちゃんも寝坊しちゃっただけなのか〜...よかった〜
「そういや神ちゃんはなんで寝坊したん?」
「ダンス部の田中さんにヘアアレンジをテレビ電話で教えててん。分かんないって連絡きてさ、それが夜遅くまでかかった」
『...へ〜そっか』
「それは大変やったなぁ」
『神山くん!』
あ、田中さんだ。
『昨日はありがとう!おかげで上手くできそう!』
「そりゃよかったわ、」
『今日寝坊ちゃったのわたしのせいだよね…明け方まで付き合ってくれて...ほんとごめん、』
「ええよ、また分からなくなったらきいてな」
『ほんと...?じゃあ、今きいてもいいかな?』
「ん〜〜......いま行ってきてええかな?」
ちらっとこっちを見てきいてくる神ちゃん。そんなの、イヤだなんて言えるわけがない。
『いいよ!』
「ええよ!」
「ん、(笑)じゃあ行ってくるわ」
パタパタと田中さんについて行ってしまった。
「......いやならいやって言えばよかったんやない?」
『言えないよ...神ちゃん誰にでも優しいもん
...』
「........................」
『........................』
「........................」
『.........押してダメなら引いてみろか...』
「急やな」
『なにもアクション起こさなかったらずっとこのままな気がするんだもん』
「...それは避けたいやんな」
『...手伝ってくれる?』
「......ん、おっけ、」
藤井くんと無言のハイタッチ。わたしと藤井くんとの間に新たな絆、そして生まれた押してダメなら引いてみろ作戦!!!
...
「え、一緒に帰らへんの?」
『今日は...藤井くんと、あの〜...ほら、スイーツを食べに...』
「流星と?ん〜じゃあおれも行こかな」
『...うっ...えっと〜〜〜...藤井くんに相談したいことあるからさ...今日は、...ふたりで、その〜〜お願いします...』
「おれいちゃダメな感じか、そっか、」
おれに言えへんこともあるよな〜って少しさみしそうに笑いながら頭かく神ちゃん。もうすでに心が痛い。
助けを求めて藤井くんに目線をやるも「しゃーない」と口パクで返される。
つらい。なんでわたしは神ちゃんを困らすようなことをしてるんだ。バカだわたし。
「まぁ別にええんやけどさ、困ったことあったらおれにも頼りや、力になるから。な?」
ポンポンと頭をたたいてひとり帰っていく神ちゃん。
「...なんやふたりして悲しそうな顔して」
『藤井くん、これしんどいね…』
「じゃあ次で最後にするか」
『次もやるの〜〜〜(泣)神ちゃん悲しそうな顔してた〜〜〜〜〜〜(泣)』
「効果ありってことやん!」
たしかにそれもそうか...と思いながら藤井くんと歩き始める。
「で、どこ行く?」
『抹茶のスイーツ食べよ!それで神ちゃんにもお土産買っていってあげよう!』
「そやな、神ちゃんきっと喜ぶで」
神ちゃんが喜ぶ、その言葉ひとつでウキウキする自分に少しあきれる。どんだけ神ちゃんのこと好きなんだ。
...
「起きて〜〜〜〜あ〜もう、遅刻してまうから!」
いつものように両腕をぐいっと引っ張って起こしてくれる神ちゃん。
『...神ちゃんおはよ〜〜...昨日はごめんね〜〜(泣)』
「なんや寝ぼけてるんか?(笑)ええよ、」
リビングまで手を引いていってイスに座らせてくれる。もう朝食はできているみたいだ。
おいしそうな朝食をどれから食べようか迷っていたら、いきなり神ちゃんがまだ握られていた手に力を込めた。
「...ちょっと寂しかってんけどね」
その小さすぎる声はわたしには届かなかった。
『え?なになに?』
「...ん〜ん、なんでも。早く食べや」
そそくさと行ってしまう神ちゃん。なんて言ったのだろうかとわたしの頭はハテナマークが飛び交っていた。
...
『あ、藤井くんおはよ〜!』
「流星おはよ」
「おふたりさんおはよ、...な〜〜〜〜〜きいてや!またじゅんたに課題出されてん!しかもおれだけ!」
「目つけられとんな(笑)」
「そうやねん、...。なぁここおしえてや〜〜」
『え、わたし?』
「ほら、英語得意やん?」
『えっ...あっそう!そうだね!教えるよ!』
「こいつ英語苦手やで?」
「いやっ、昨日...な!得意になってんな!」
『そうそう!あ、えっとここはね〜〜』
半強制的に話を終わらせて藤井くんに教え始める。すると、神ちゃんは不思議そうな顔をしながらも自分の席へついた。
「今日で最後や、頑張りや」
『がんばる!』
藤井くんとコソコソ声で励ましあって勇気が出た!わたしがんばる!!いつか神ちゃんに振り向いてもらうんだ!!
...
放課後。
「じゃ、おれ先に下行って待ってるわ!」
『わかった!』
わたしも急いで帰りの身支度をする。チラッと神ちゃんのほうを見るとまた田中さんと話していた。
もう...また話してる...。
モヤモヤする。でもわたしにはどうもできない。神ちゃんにバイバイを言うのを諦めて教室を出る。すると、
「ちょっと待って!」
手を掴まれて引き止められる。振り向くとそこには神ちゃんがいた。
「また流星と帰るん?ふたりで?」
『うん、』
「なんか避けられてる気すんねんけど…気のせい?」
『気のせいだよ?...あ、そうだ。昨日のお土産!神ちゃんの好きなスイーツだよ!』
「...昨日は流星となに話してたん?そんなにおれに聞かれたくない話やったん?」
『え...ちがうけど、でも...藤井くんに聞いて欲しかったというか...』
「............おれにも頼れや、...流星ばっかやなくて、おれにも頼って欲しい。」
『...そっか、ごめんね!今度から神ちゃんにも頼るから!』
それじゃ、って藤井くんの元へ行こうとするけど手を話してくれない。いつもより強引な神ちゃんにドキドキする。神ちゃんが神ちゃんじゃないみたいだ。
「...行くな、行ったらもう朝起こしに行くのも一緒に登下校もせん、」
『えっちょっとそれは...』
「............好きだから、おれのそばにおって」
『.....................え?』
「おれスイーツ好きやけど、流星とおまえがふたりで買ってきたスイーツは嫌いや」
思考が停止する。いまわたしは神ちゃんになにを言われているのだ...??
ずっと待ち望んでいた言葉なのににわかに信じられない。
「どうしても流星のとこ行きたいんなら手振り払ってや」
『.........................................................』
「...流星と一緒にいるの見るのがイヤやねん...」
なんでそんな悲しそうな顔で言うの...
『行かないよ...神ちゃんのこと好きだもん』
「え、.........ちょ、...ほんま?」
『神ちゃんが田中さんと仲良くするから...神ちゃんのことわざと避けてたの...ごめん』
申しわけなくて下を向く。するとため息がきこえて、神ちゃん呆れちゃったかなと思ってちらっと見たらいつもの優しい顔の神ちゃん。あぁ...そうだ、この神ちゃんが好きなんだ。
「も〜ほんっまに、どんな心配してんねん!言われなくてもおまえしか見えてへんわ!」
『...神ちゃんごめんね〜〜〜〜〜(泣)』
「はいはい、もうええから」
いつもの神ちゃんがしてくれる頭ポンポン。これがとっても落ち着くし好きなんだ。
「泣いたら目腫れてまうから、ほら、泣き止む」
『むり〜〜〜(泣)』
「今日おれん家寄ってってや、スイーツ一緒に食べよか」
『...うん!』
ふたりで手を繋ぎながら神ちゃん家を目指す。こんな日がくるなんて。わたしは幸せ者だ...
「ちょい、おふたりさんさぁおれのこと忘れてへん?」
『はっ藤井くん!ごめん!!』
「ま、ふたりが来るの遅い時点で何となく気づいてたけどな」
「そや、流星も来る?おれん家でスイーツ食べんねんけど」
「神ちゃん余裕やな〜〜〜さすが彼氏に昇格するとちがうわ〜〜(笑)」
「まぁな(笑)」
『じゃあ3人で食べよ!』
...
...
「はよ起きんと遅刻やで!...こら!寝た振りせんと!」
わたしのほっぺをぺちぺちたたきながら言う。もちろんわたしは不機嫌にならない。だってずっと好きだった神ちゃんが起こしに来てくれて、そして彼氏になったんだから。
リビングまで手を引いてくれる神ちゃん。
「お寝ぼけさんこっちやで〜〜〜〜〜はいはい行きますよ〜〜〜〜〜〜〜〜」
『...神ちゃん今日は髪の毛編み込む?』
「そう思っとったけど...おそろいでやったろか?」
『いいの!?やった!!』
「じゃあはやく朝食食べてきーや」
『わかった!』
わたしはこんな毎日が幸せである。
こたきくんとハロウィンパーティー
夏がおわって涼しくなった。
お祭り、花火、海とか夏はたっくさん行事があったけど秋といえば...?
秋といえばハロウィン。街中やテーマパークでも人気の高いハロウィンは可愛くてちょっとしたイタズラをしたくなる季節だ。
そう、わたしたちもイタズラをしたい年頃なのである。
生徒会主催のハロウィンパーティー。毎年お菓子がたくさんでるからほとんどの生徒は参加する。でもわたしは参加するか迷っている。その理由は彼にある...
『のぞむ!またわたしの消しゴム勝手に使ったでしょ!どこ探してもない〜』
「あ〜...おれのと交換せぇへん?」
『えぇ〜〜〜!』
「だってめっちゃ使いやすいねん!(笑)」
『同じの買えばいいじゃん』
「このびみょ〜に使い古した感じがおれにぴったりなの!わかるやろ?」
『わからん!返して!』
「はい、おれの消しゴム〜〜~〜」
『いらんから!!』
いつも消しゴムの取り合いをしているわたしたちは仲のいい友達。と、のぞむは思ってるとおもうけどわたしは好意をもってる。それは秘密。
「そういやさ、今年もハロウィンパーティー行くやろ?」
『行かないよ』
「えぇ!??なんで!?お菓子貰えんねんで!?」
『とか言って去年のぞむ告白されてばっかりでお菓子食べてなかったよね』
去年のぞむはバイキンマンみたいな変な触角つけて行っただけなのに女子に囲まれてすごかった。だからわたしはひとりでずっとお菓子食べてた。
「ん〜...まぁそうやったけど今年こそは食うで!行こうや!」
『去年たっくさん食べたから今年はいいや』
「おれのヴァンパイア姿みたない?みたいやろ?」
『のぞむとは行きたくないです』
「も〜なんやねん!!今日はいつもより増してガンコちゃんやな!」
『のぞむもね』
も〜〜〜なんでなん〜〜行こうやぁ〜〜〜ってわたしが座っているイスをガタガタゆらす。
「...おれが濱ちゃんとハロウィンパーティー行ってもええの?」
『いいよ!行ってきなよ!』
「............もうええし…」
明らかに拗ねた顔で教室から出て行ったのぞむ。正直ヴァンパイア姿だってみたいし一緒に行ってわーきゃー言いながらお菓子だって食べたいけど、のぞむが誰かに告白されるたびに胸がキュッって痛むのは確かだ。きっと今年もたくさんの女子から告白されるだろう。
次の日からのぞむはちょっとずつわたしを避けるようになった。
『ねぇ、今日の4限のノート...』
「知らん」
『まだなにも言ってないでしょ!』
「ふ〜〜んだ」
長い足を組んでずっとそっぽ向いてしゃべってるから目線合わせようとしてもなかなか合わせようとしない。いじけると面倒くさいのは知っていたけどここまでとは...。
『ていうかいいかげんこの前の消しゴム返してよ』
「...いやや、これおれんだもん。おれのもあげたし」
『これのぞむの名前付き消しゴムでしょ、使えないから!』
「...あ〜〜〜明日のハロウィンパーティーの準備せな〜〜」
『ちょっとまって!』
「...明日、来いよほんま。」
そう言ってすぐどっかへ行ってしまった。でもめずらしく真剣な顔にすこしドキッとした。なんでハロウィンパーティーにあんなこだわっているのかわたしは全くわからなかった。
ついに、ハロウィンパーティー当日。今日は授業は一切なく校舎のA館を貸し切り、ハロウィンムードに装飾された校内をまわることができる。もちろん、お菓子も各所に常備してある。
『あ〜ひま...』
この日ハロウィンパーティーに参加しないわたしは家でお留守番。さっきまで昼寝をしていたけどさすがに飽きてきた。
『今頃...ん〜...考えるのやめた』
今頃たくさんの女子に囲まれていることなんて見なくてもわかる。そりゃ背高くて面白くて顔も良けりゃモテる。
『のぞむのがガンコちゃんだわ』
無意味に言い返してみる。ハロウィンパーティーに行くってことは告白されに行くようなものじゃないか。
そういえば、と思い出して学校のFacebookを開いてみる。そこにはハロウィンパーティーで撮られた写真が載せられていた。
やっぱりのぞむは写っていて、ヴァンパイア姿の彼はすごく目立ってた。いつも一緒にいるから慣れてしまったけど、改めて見るとやっぱりかっこいい。
『.........ちょっとだけ見に行こう』
そうだ。彼のヴァンパイア姿だけ見に行って告白されている途中だったら帰ればいいのだ。よし。
はやくしないとハロウィンパーティーが終わってしまうのでできるだけ手短に準備をして家を出た。
──
みんなが集まる場所は大体体育館なのでそこへ向かう。
体育館の扉の影からのぞむを探す。
が、いない。
『ここじゃなかったのかな...それとも告白か』
あきらめて帰ろうとしたとき、急に視界が真っ暗になった。
『わっ...なにこれ、マント...?』
マントらしきものをとったら、目の前にはヴァンパイア姿のぷくっと頬を膨らませたのぞむがいた。
「遅い!来いゆーたやん!ほんっまガンコちゃんやな!!」
『ガンコちゃんはのぞむでしょ!』
「どうせ昼寝でもしてたんやろ?なぁガンコちゃん!」
『だからガンコちゃんじゃない!』
マントを勢いよく押し付ける。昼寝をしてたのは当たってるけど...。
「なぁ...この格好さぁ似合ってる?おれに」
『え、うん』
「ふーん、そ、」
伏せてた目をこちらに向ける。アイメイクをしているからかいつもより目ヂカラが強くてドキッとする。
「去年はごめん、ひとりにさせてもうて、...」
『別に気にしてないから』
「ほら、おまえゆーてたやん、来年はちゃんと仮装したいねって。だからこれ、恥ずかしいけど張り切って買ったんやで?あとおまえのも魔女のやつ買った」
『言ったけど...覚えてたの?』
「当たり前やろ!でもおまえ行かない言うし、...なんやねんもう」
拗ねたように口をムッとして下を向く。
『ごめんね、じゃあ来年はそれ来て一緒に行こ!』
「ん〜...それは別にいいわ。来年は行かへん」
『え!なんで!』
「ちょっと来て」
手を引っ張られて連れていかれたところはわたしたちの教室。
『なんで教室?』
「...はい、消しゴム返すわ」
のぞむが自分の机に座って筆箱から消しゴムを差し出す。
『ん?え?あ、はい。じゃあわたしも返す。ていうかどうしたの?』
わたしも 消しゴムを差し出してのぞむの隣の机に座る。
「来年はさ、ふたりでハロウィンパーティーしたない?」
『それも楽しそうだけど、ふたり?』
「そ、...つまり、あれや、...その〜...おれは、おまえが、好きや」
『...ん??』
「消しゴム交換したのもそれでおまえとしゃべれる口実になるし、今日ハロウィンパーティーで告白してオーケーもらってから返そうと思ってん!オーケーもらえんくても消しゴム返さんかったらまたおれにかまってくれるやろ?」
『あ、うん、』
「...おれ、頭ええやろ(笑)」
『うん...ん?なんかちがくない?(笑)』
「ええの!で!...返事は?」
『えっと...』
「まぁもう分かってるんやけど」
『え?』
のぞむがわたしの目の前まで歩いてくる。近くで見るとより一層でかくて迫力がすごい。
「好きやろ?おれのこと」
背の高い彼からデコピンの1発。
『.........すきだけど...いたい...』
「 おれの誘い断ったから仕返しや!次断ったらおれ何するかわからんで〜?」
『断りません...ごめんね、」
「ん、この話はおわり!...じゃ、彼女になった証になんか食べ行こ!おごったる!」
眩しい彼の笑顔にキスを落とす。ビックリした顔をしているけどいじわるで見て見ぬ振り。さぁこれからどうしようか。
ハロウィン前からかき始めてもう冬ですすいません!
そういえばMORSEから一年たちましたね…ギュッと寒い日はMORSEの劇中歌でもきいて黄昏ましょう...!!